現在、企業の経営においてコスト削減は非常に重要である。
しかし、製造コスト削減が難しくなった今、物流コスト削減が非常に注目を浴びている。 企業が物流を行うにあたり重要なことは、物流費の多くを占める配送コスト を最小化する配車計画を実現することである。 これはVRP(Vehicle Routing Problem)として様々な状況に応じた 数多くの研究がなされており、ソフトウェアも開発され、利用されている。 このVRPの核となるのが、TSP(Traveling Salesman Problem=巡回セールスマン問題) に現実的な前提条件を加えて配送経路問題としたClassical VRPである。 ここではその現実的な前提条件を示す。 (固定された前提条件)
![]() 最も理想的なのは最適解を求めることであるが、需要地数が増えると 計算時間が膨大にかかってしまい、現実的ではない。 そこで、これらのソフトウェアのほとんどはヒューリスティック技法(近似解法) を用いている。このヒューリスティック技法を用いることにより、現実的な時間で ある程度良い解を出すことができる。 ここではまず、一般的なヒューリスティック技法の一つである セービング法についてのアルゴリズムを、 その次にTimeWindowを持つ問題に適した技法であるグリーディー法を説明する。 |
1964年にClark&Wrightによって提案されたセービング法は、
数多いヒューリスティック技法の原点と言える。
この技法は、2需要地に対するピストン輸送をルート輸送に変えることによって生じる
走行距離の減少分であるセービング値を算出し、
これが最大となるルートの結合を行うことによって解を構築していく技法である。
以下にセービング法のアルゴリズムを示す。
計算例
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ある需要地の最遅サービス時間から現在の時間を引いたものと
現在の場所からその需要地までの距離をそれぞれ重み付けした和が最小である需要地を
次に訪れる需要地として選択する。
ここでトラックの積載可能量または走行可能距離を超えた場合は倉庫に帰り、
また新たなルートを構築する。 |
※移動距離:現在の場所から次の需要地までの距離 余裕時間=最遅サービス時間−現在の時間(荷卸が終了した時間) 最遅サービス時間=最遅時間−荷卸時間 |