3.1 実験ストーリーA

 今回、君はコンビニエンスストアワーソン高田馬場店の隣の 目白店の店長 となり、この店での問題を解決してもらう。

 高田馬場店のトラブルが解消されて1ヶ月が経ったある日、 君は東京区部を統括するO統括部長に本社まで呼び出された。

 そこで君は目白店の業績が落ちてきていること、 そしてその落ち込みが目白店のみに目立つことから店舗固有の問題であることを指摘された。
 その際に最近同様の落ち込みがあった隣の高田馬場店でお客の不満アンケートから、 解決方法を探り出す方法が有効であったという話を聞き、 同じようにアンケートをとって問題点を洗い出すように提案された。

 君としてもこれまで、売上の低下を手をこまねいて見ていたわけではない。 自分なりにいろいろな対策を考えて実施してきたつもりだったが効果が薄かったようだ。 しかし現在の日本全体の不景気により、流通業界全体が売上が大幅に落ちている今、 多少の売上減は仕方のないことと考えていたのがまずかったようだ。

 君は早速調査するため、目白店を訪れるお客さんに対して 店舗の不満に関するアンケートを行った。 その調査結果をまとめたものが下の表である。



このグラフをみると、目白店では 「欲しいもの同士が近くになく不便」 という項目が6割近い値を占めている。 よってこの項目に対して、なんらかの対策を練ることが必要だと考えられる。
しかしこの問題に対してなんらかの対策を練るといっても、 具体的にどうすれば良いのだろう?
 そこで君は常日頃から親しくしている高田馬場店の店長に、高田馬場店の問題を どうやって解決したのかなどを尋ねてみることにした。


(電話にて)
「実はうちの目白店も売上が落ちてきているんだ。 君の高田馬場店でもアンケートをやって対策を立てたと聞いて、 うちでもやってみたんだけど、この結果をどう活かせばいいのかな? 君の店でやった方法を教えてもらえないか。」
高田馬場店
店長
「うちでは欠品率の高さが問題だったんだが、君の所でも同じ問題なのかい?」
「いや、うちでは「欲しいもの同士が近くになく不便」というのが最大の不満だったんだ。 」
高田馬場店
店長
「それならうちと同じことをしても仕方がないね。 そうだ、実は知人に生産・物流システムを大学で教えている人がいるんだが、 実はうちの問題もその人にアイディアを出してもらったんだ。 その教授を紹介するから相談に乗ってもらうといい。 明日にでも会えるように頼んでみるよ。」
「ありがとう。それじゃまた。」

(高田馬場店店長と教授と3人で)
Y教授 「それじゃあ今の目白店の問題をもう一度教えてもらえませんか。」
「実は最近うちの支店でも売り上げの低下が問題になっています。 アンケートの結果「欲しいもの同士が近くになく不便」 というのが最大の問題だと分かったんですが、それに対してどう取り組むべきなのか いまいち良く分からないんです。」
Y教授 「大体分かりました。 欲しいもの同士が近くになく不便という問題に対しては、 現在の店舗レイアウトを大幅に変えてみたらどうでしょう? 私が研究しているプラントエンジニアリングという学問分野には SLPという 古典的だが非常に有用な手法があります。」
「SLPですか?」